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計画年休について

Q
従業員10人未満の事業所です。従業員の有給休暇の取得について相談です。
取得率向上も大切なのですが、と言っても一度に休暇申請が集中すると困ります、何か良い方法はありますか?

A
有給休暇の使用は原則として個人の自由に任されています。でも、従業員の少ない小さな職場で一斉に休暇申請されれば会社側としては困ってしまう事態も想像できますし、また中には有給休暇取得を遠慮し、休暇そのものをなかなか消化しきれないスタッフもいらっしゃるかもしれません。そこで、上記のような問題を軽減するため、あらかじめ計画的に、職場で一斉に、または交代で休暇を取得する制度として計画年休制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
例として、皆が一斉に休暇を取得するケースでは、会社の年末年始休暇(12月31日から翌年1月3日)を特別休暇としている場合に、これに有給休暇を付加する形(12月30日や翌年1月4日を計画年休として指定)や、会社の夏季休暇(夏季休診日)に指定する方法などが考えられます。また、スタッフ個別に計画的に取得してもらう例としては、「記念日休暇」として誕生日等を含む連続3日間などを指定して計画付与するというのもあります。さらには、業務に閑散期がある場合には、該当月の第〇金曜日等と指定して休暇取得を促進する方法もあります。
計画年休は計画的に付与する日数とその特定方法(時期や手続き)などを労使協定で定めますが、労使協定で有給休暇日とされた日については、特別の事情が認められる場合を除き、労働者個人がその日に休暇を取る意思のあるなしにかかわらず、休暇日とされます。そして、労使協定で計画年休日として指定された日数分は、労働者が休暇日として自由に指定できる日数からは消滅します。なお、大事なところですが、計画年休を活用する際も労働者が自由に指定できる休暇日数として最低5日間は残しておかなければなりません。(5日間はスタッフが自由に取得できる)したがって、有給休暇の残日数が不足している者を計画年休の対象とする場合には、付与日数の増加などの措置が必要となりますし、クリニック全体での一斉付与の場合に有給休暇の権利のない者(残日数が少ない者)を休業させる場合は、賃金の支払いが必要と考えられます。なお、『特別の事情により有給休暇の付与日があらかじめ定められることが適当でない労働者については、計画的付与の労使協定を結ぶ際、計画的付与の対象から除外することも含め、十分労使関係者が考慮すること』(S63年通知)も必要で、導入にメリットも多いですが、規則等の見直しも含め丁寧な検討が求められます。

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