健康保険被保険者証の氏名表記について
Q
医療機関からの質問。健康保険の被保険者証の氏名表記について変更があると聞きました、どの様な内容でしょうか?
A
性同一性障害の方の被保険者証の氏名表記についての取り扱いが以下のとおり整理されました。※今回の氏名表記の特例的取扱いは性同一性障害を有する方のみ限定
今まで、国民健康保険では運用上、性同一性障害の方の被保険者証の氏名表記について、その方やご家族から通称名の記載を希望する旨の申し出があり、保険者がやむを得ないと判断した場合には通称名の記載を認めていました。
今回、国民健康保険に加えて健康保険、後期高齢者医療制度なども統一的な対応をとるべく氏名表記の特例的取扱いが各保険者に通知されました。(※別添参照)
別添のQ&Aにもあるように、ポイントは、保険者がやむを得ないと判断した場合には戸籍名を裏面に記載するなどした上で表面の氏名欄に通称名の記載を認めるというところです。
現状、健康保険被保険者証は様々な場面で本人確認書類として利用されていることから、被保険者証のどこかでは(裏面等)戸籍上の氏名を確認できるようにすることが指示されています。
また、被保険者が氏名表記の特例的取扱いを申し出する際には、保険者がその申し出の真正性を確認するために、医師の診断書等や表記を希望する通称名が社会生活上日常的に使用されていることを確認できる書類を添付する必要があります。
なお、クリニックの診察券やカルテ等の医療機関内部等で管理するものについては、患者(被保険者)に配慮ある取扱いを求め、診療報酬請求に係る取扱い時の氏名については被保険者証の表面の氏名欄に印字された氏名で請求を行うことを求めています。
申し出の際の手続等にまだまだ煩わしさはありますが、社会の中で性的指向や性自認を理由とする偏見や差別をなくすような取組みが少しずつ進んできています。しかしながら、医療機関をはじめとする日々の生活のさまざまな場面において、「SOGIハラ(ソジハラスメント)」(性的指向・性自認にもとづく差別的言動等)に傷つき心を痛める方も多くいます。性的指向・性自認に関する差別と困難の解消に向けた対応が今後もより一層強化されることが期待されます。